起業家として生き残り続けるためには、なぜ美意識が必要とされるのか?

※第80回 定例講義(中上級編)

2018年07月02日(月)【定例講義 中上級編】  【記事投稿者一覧→】

 
「美意識」とは、5月以降、定例講義の会場で毎回行うようになった 「あり方」のワークの中でも登場する言葉ですね。

そのワークの中では、「あり方」とは真善美に基づいて判断を行っている状態であり、そのうちの「美」というのが、ここでいう「美意識」に相当するものとなります。

美意識とは、非常に難しい概念かもしれませんが、誰もが無意識レベルで持っているものです。

美しい絵を書いたり、また美しい芸術作品を生み出すことはできないにしても、美しいものを見たりすれば、多くの場合、それを美しいと感じる力を、生まれながらにして持っています。

一見したところ、論理的で正しそうに見えるけれど、なんかしっくりこないな~、違和感を感じるな~というような場合、そうした「美意識」が欠如しているケースは少なくありません。

例えば、会社は株主のためにあるというのは、株式会社の成り立ちから考えたら、極めて論理的であり正しいと言えるかもしれません。

だから、投資家である株主の利益を最優先して株価が高まるように経営をすることが、論理的には正しそうに見えます。

では、その目的で利益をできるだけたくさんあげようと考え、そのためにスタッフの給料をできるだけ安価におさえようという経営者の姿を見たら、どのように感じるでしょうか?

社歴が長いスタッフは、どうしても年功序列的にも、給料が上がっていくことになるので、給料が高くなる前に辞めてもらって、それを補充する形で若手を採用していく。

そのようなことを意図的に行っている経営者も少なくありませんし、論理的に考えたら非常に理にかなった方法にも思えます。

が、どことなく本当にそれで良いのだろうか、という疑問を覚える方も多いことでしょう。

そんな疑問が起こったとき、「それは美しいか?」と問いかけてみたとき、そうではないという回答が出てきた場合には、論理的には理にかなっているが、美意識という観点から言うと、課題があると言えるのかもしれません。

また、それが「真理に基づくものなのか?」「善に基づくものなのか?」と問いかけてみても、同様に課題があることに気付いていくものなのかもしれません。

『失敗をゼロにする 起業のバイブル』では、失敗しない方法を追求し、そして起業活動を長く続けるための方法について書かせて頂きました。

起業活動を始めることは重要ですが、それ以上に大切なことは、起業活動を継続することです。

そして、そのためには「美意識」というものは欠かせないものではないかという実感を持っているのです。

なぜならば、美意識は生まれながらにして皆が持っているものですから、美意識が欠如した起業活動を行ってしまえば、関わるステークホルダーに無意識レベルで違和感を与え、結果として協力者が減り、活動が右肩下がりになる可能性があるからです。

1年前に出た書籍の中で、大変共感した書籍に、

『世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか?
経営におけるアートとサイエンス』
(光文社新書)

があります。

こちらの本によると、「これまでの伝統的なビジネススクールへのMBA出願数が減少傾向にある一方で、アートスクールや美術系大学によるエグゼクティブトレーニングに、多くのグローバル企業が幹部を送り始めている」そうです。

MBAで学ぶような分析的でアクチュアルなスキルよりも、美術系大学院で学ぶような統合的でコンセプチュアルなスキルの重要性が高まっている」というのです。

論理的な検討をした結果生み出される結論というものは、論理的な正解であり、実は、論理的思考に長けている人であれば、全ての人が導きすことができる、全く同一の正解である可能性があります。

つまり、ロジカル・シンキングを極めても、同業他社が考えるようなことしか、生み出すことができない可能性があるとも言えます。

その限界を乗り越えるために、分析・論理的思考を超えた、美意識を鍛えようとする潮流が広がっていることについて解説したのが前著だと言えます。

「競合ゼロ」のビジネスモデルを生み出そうとする、ビジネスモデル・デザイナーRの手法は、ロジカルに再現性のある形で、同業他社とは全く異なる土俵のビジネスモデルを創造するためのものです。

ある意味、論理的思考に基づいているものに見えますが、ビジネスモデル・デザイナーRの手法をご活用くださっている方は経験されている通り、全く同じ業界の方が使っても、全然違う結論が導かれるものです。

なぜ、ロジカルな手法であるにも関わらず、答えが1つにならずに、無限と言えるほどまでに競合ゼロのモデルを生み出せるのかと言うと、私個人の理念でもある、

広がる事業には美しい方程式が秘められている

というフレーズの通り、美を発見し、美を追究するための手法だからだと考えています。

そして、2015年以降、CI戦略を導入し、少しずつではありますが、その道を究めてきているのも、経営における、そういった「美」を追求し、形として表すためでもありました。

ただ表向きのデザインを綺麗にしたり、かっこよくしたものが、美しいかというと、必ずしもそうは言えないでしょう。

見栄えの美しさが重要なのではなく、自身や自社の経営のあり方、追求する姿をシンプルに表した美しさが重要であり、それを支えるのがCI戦略だと考えています。

このCIに対して、実際は相当な費用や時間をこの3年間投下してきたわけですし、それがどれだけハードなものであるかを実感していますので、全ての起業家に今すぐ導入しましょうとお伝えするつもりはありません。

が、「美意識」を持って起業活動を進めていくことは、起業家として生き残り続ける上では、とても重要なことではないかと考えています。

では、具体的には、どういったことをしていったら良いのでしょうか?!

それについて、今回の定例講義(中上級編)の中で解説しました。

その音声、動画は、以下をご参照頂けたらと思います。

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