社長のエゴをスタッフに押しつけるのをやめ、スタッフに より会社のために頑張ろうと思ってもらえる環境を創るには?

スタッフに「依存」している社長と、スタッフを「活用」している社長の違い※第32回定例講義中上級編

2014年07月01日(火)【定例講義 中上級編】  【記事投稿者一覧→】

ご支持を頂いている「在宅秘書サービス」や「シェア秘書サービス」を提供しているなかで、ひしひしと感じるのは、お陰様で大きく離陸していながらも、本当に難しいビジネスモデルだな…、ということです。

なぜならば、採用される社長にとっても、人材採用は初めての体験であり、採用される在宅秘書の方にとっても、在宅で働くのは初めてであることがほとんどだからです。

お互いが初めてということであれば、過去、経験がないわけですから、最初は上手くいかないことがあっても全くおかしくありません。

社長だって失敗するし、在宅秘書も失敗するのが当然でしょう。

ところが、ここがクセものなわけですけれど、お互いが初めてであるがゆえに、何か上手くいかないことがあると、それが社長が原因になっているのか、秘書が原因になっているのかの見分けがつかないことが多いのです。

このサービスを開始してから最初の2年間は、上手くいかないとき中立的な立場から観察してみると、社長と秘書の両方に課題があるということが、非常に多く見られました。

当社としては、秘書側スタッフ側に課題があるとしたら、サービスを提供する立場として問題があると感じ、少なくとも、そこはクリアするために全力を尽くしました。

悲しいことですが、採用してはいけない人というのが存在するのは確かです。
どんな人が採用しても、相性の良し悪しというレベルとは全く関係なく、上手くいかないスタッフがいるのは事実です。

そういうスタッフは、誰が採用しても、どのような会社で働いても同じようなことを繰り返してしまうのです。

当社としては、まだまだ器が小さく、余裕もないことから、そのような人に出会ったとき、どうしたら、その人が、そのような状態から脱却するのかというノウハウを開発する余裕はありませんでした。

ですので、本サービスを提供する中では、そのような方を採用しないようにと見極めるためのノウハウ構築に全力投球しました。

その結果、以前、定例講義(中上級編)の中で、解説したことがあったように、

    「こだわり貫き度」

という指標の存在を発見し、それの高低により、採用して良いスタッフかどうかを見極めるということを継続的に行っています。

私の方では、おおよそ、当社指定のフォームで書いてもらっている履歴書を見ると、30秒ほどで、採用して良いスタッフかどうかの見極めができるほど、このあたりのノウハウは蓄積されてきました。

もちろん、完璧ではなく今現在も含めて、本来採用してはいけないタイプのスタッフを採用してしまうこともあるのですが、確率的には10人採用して、そのような人が1~2人いるかどうかというほどの比率です。

以前は、採用したスタッフの大半が、本来採用すべきではなかった方であり、離職率も80%を超えていたことと比べると、相当、採用ノウハウは高度化していると考えています。

一方で、社長にとっても、在宅勤務で人を雇用するのは初めてだったり、そもそもが、会社員時代は別として、独立されてから人を採用するのは初めてという方も多く、現実的には、スタッフの方の力を上手く活用できている方もいれば、その逆の方もいらっしゃるのが実状です。

こう言うと、上手くいっていないというのは自分のことか、と想像され、面白くない思いになられる方もいらっしゃるかもしれません。

ご安心頂きたいのは、私が初めて、自社で在宅勤務を導入した直後の2007年を今思い出すと、なんて、とんでもないヤツだったと恥ずかしくなるほど、私自身、ひどかったという点があることです。

私は、前職の上司等のフィードバックから、女性組織のマネジメントは得意だと思っていましたが、それはとんでもない勘違いで、2007年頃の、スタッフとのやりとりの記録を今見ても、そんなマネジメントの能力のカケラさえもないほど、とんでもなくひどい人間だったと、恥ずかしくなります…。

当時の自分の何が一番、至らなかったのかと今想像すると、
それを一言で言えば、

    「スタッフに対する依存」

です。

当時は、給料払って、仕事を提供しているんだから、お願いした仕事は、やるのは当たり前だろう、と思っていました。

それが、スタッフの時間的な面も含むキャパを超えていたとしても、仕事なんだから、お願いされたものは、やるべきものだろう!と強い気持ちで思っていました。
そして、お願いした通りのことを、やってくれると、強い言葉で、「こうやれば、できるじゃないですか!」とか、あなたの~が悪い!みたいな指摘を結構していました。

社長がお願いしたものなのだから、そして、給料を払っているのだから、スタッフはそれをやって当たり前だと考えることを、今、私は、それこそが

    「スタッフに対する依存」

であると再認識しています。

社長からしてみたら、スタッフに依頼したことは、全部やって欲しいことでしょう。
私だって、今でもそう思います。
そのようなことをやって欲しいから採用しているわけです。

ただ、そうやって、全てを自分の思う通りにしようと思うことと何と言うかというと、それは、 

             社長のエゴ 

と言われたりもします。

私自身、今でもたくさんのエゴを持っていることに気付いていますが、この活動を始めた2007年当初は、今以上に、とんでもないほどのエゴの固まりの人間でした。
そんなエゴの固まりですので、なんでもかんでも、自分の思い通りにしたいと考えるのです。

・届いたメールは、その日のうちに返答してください!
・このメールの書き方はおかしい。何回言えば、分かるんですか!
・業務をするときに悩んだことは、メールで相談されても、社長の自分には大量のメールが届いてるんですから、見落としてしまいますよ。相談は携帯電話に質問ください!
・そんなこと質問する前に、マニュアルや過去のメール雛型を見て自分で考えてから質問してください!

そんなことを、当時のスタッフには結構長いこと言っていました。
つい1年前までも、そのようなことを言っていたと思います。

仕事ですから、社長がそんなことを言うのは当たり前だろうと、今、お感じの方もいらっしゃるかもしれないと想像しています。

ただ、スタッフ(在宅秘書)の方と上手くいっている社長の場合、そのようなことをされていないということが、現実だったりもするのです。
ずばり、そのようなことを言うのは、スタッフに強いるのは、社長にエゴがあるからです。

スタッフ(在宅秘書)にも都合や事情とうものがあります。
また、仕事が上手くいかないにしても、それには理由があり、全力を尽くしているのも関わらず、結果として、社長の期待に添えなかった、というようなことも良くあります。

少なくとも当社の採用基準を見たした水準のスタッフであれば、社長から依頼された業務が、期待通りできなかったとしても、それは、手抜きをしたからではなく、本当に全力を尽くしたにも関わらず、期待に添えなかったりするということが大半です。

ところが、そのようなことがあると、スタッフの事情お構いなしに、社長から一方的に、スタッフのことをとがめたり、非難したりします。

それが、どれだけ、スタッフのやる気を失わせてしまうか、社長との信頼関係を失わせてしまうものかは、当社として中立的な立場として、5年ほど見てきた中では、本当に痛々しいものがあるなと実感しているところです。

このようなことが、離職の理由となることが多いことは、自身の経験からも良くわかります。

このように、スタッフの方との関係を失わせる、一番のきっかけが社長のエゴにあったりもします。
そのようなエゴを追求することは、そもそも、そんなエゴなど満たされることの方が少ないので、それはスタッフに依存することとイコールだとも言えます。

つまり、スタッフの方と上手くいないない社長の場合、その理由は、エゴが強く、スタッフに依存いている可能性があるとも言えます。

では、そのようなことを認識したとき、どうすれば良いのでしょうか?

それは、スタッフに対して、社長のエゴを強要するのではなく、どこまでだったらできるかを質問し、確認することです。

社長のエゴを押しつけたとしたら、スタッフは、その立場上、ノーとはなかなか言えません。
その結果、嫌々ながら、実行しながらも、ストレスを蓄積し、それがピークに達したとき、「辞めます」と言うものです。

そのときには、辞める理由は、本当のことは言わず、何か別のことを言うケースが多いものです。

ですので、社長のエゴを押しつけるのではなく、このスタッフは、自分の無限とも思えるほど大きなエゴのうち、どの部分を満たしてくれるだろうかと考え、スタッフが気持ち良く仕事ができる範囲のものからお願いしていくことが重要ではないかと考えています。

それこそが、スタッフのことを「理解」し「応援」することであり、マネジメントの基本ではないかとも再認識しているところです。
社長のエゴを満たすことを優先するのではなく、スタッフのことを「理解」し「応援」するように努めること。

このような基本的な考え方を、より、実行頂きやすくするために、今回の定例講義(中上級編)をご活用頂けたら幸いです。

テキストと音声は以下をご覧ください。

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