「苦手」と「嫌い」を科学する~嫌いなものから、成長のための課題を発掘する~

※定例講義(中上級編) 第49回

2015年12月01日(火)【定例講義 中上級編】  【記事投稿者一覧→】

先日お届けしました月刊誌の中では、「努力とは、苦手なものを得意に変えること」というテーマで解説しました。

その中では、必ずしも全部が全部、起業家が手掛ける必要はないけれど、中には、起業家には例え苦手であっても乗り越えなければならないことがあり、それには逃げずに向き合う必要があるということについて触れました。

そういった場合には、苦手だからといって逃げるのではなく、しっかりと真剣に向き合い、その結果として、本当に自分にとって苦手なのかどうかを見極めることが重要になってきます。

苦手だとか不得意だとか、これは自分の強みではないと判断するのは、そのように向き合った後に行うことであって、真剣に取り組む前に判断するようなことではないわけです。

なぜならば、最初は苦手だ嫌だと思うようなことでも、真剣に取り組んだ結果として、それが得意に変わるようなことがかなり高い確率で起こるからです。

例えば、前職では、独立前、退職する直前の時期頃であっても、私は新しいアイデアを生み出すことが苦手でした。

モノマネ・レベルのアイデアは出すことができても、革新性が高いアイデアを出すことはできず、戦略合宿に参加しても、チームに貢献できるようなアイデアを出せず、発言もほとんどしないような人間でした…。

でも、そんな自分であっても、アイデアを生み出せるような方法はないかとずっと模索しており、7種類22分類のビジネスモデルの「型」の原型となるような視点は、当時からずっと自分なりに考えて蓄積し続けていました。

もし、私がアイデアを出すことが苦手だと言って、そこから避けていたとしたら、7種類22分類の「型」も、「アイデア核融合」の手法も生まれなかったことでしょう。

また、前職のコンサルティング会社に、ナンバー2役員から「お前には営業は絶対に無理」と言われたときに、そうなのかと思って営業力を高める努力を放棄していたとしたら、そもそもが私自身、起業して12年間も活動を継続させることはできなかったことでしょう。

そして、それを大きく超えて、営業などしなくても、受注に困らなくなるような「パートナー代理店制度」という手法までをも開発してしまいました。

つまり、今現在、苦手だなとか嫌だなという意識を持つもの全てが、自分にとって無意味なものではなく、その中には、自分は自分の将来の「コア・テクノロジー」を開発するための種となるものも、含まれていることが少なくないのです。

難しいのは、ドラッカーがいう通り、人は得意なことに集中したことが良いのは確かなことだということです。

この境界線がどこにあるのかという点について、12月の定例講義(中上級編)で解説しました。

そして、それに加えて、さらに掘り下げるべきもっと重要な観点についても解説しました。

それは何かと言うと、私達は本来自分がなすべき使命や天命のようなものの存在に気付いているとき、その使命を果たせなかったり、天命を全うできなかったときのことを想定して、リスクヘッジをしがちであるということです。

例えば、私は「在宅秘書10万人の雇用を創出する」というビジョンを掲げているわけですが、それが本気であればあるほど、一方で、上手くいかなかったらどうしようという気持ちも生まれます。

そこで、上手くいかなかったのは仕方がないという理由付けを行うようになり、例えば、私の場合、仲介ビジネスは、自分の中でも「苦手」な「型」なんですよね、と言うようになったりします。

そうすると、そもそも、最初から苦手なものに取り組んだわけだから、結果として上手くいかなかったのは仕方がないことではないか、というような自己正当化をすることができるわけです。

つまり、

「苦手」という言葉は、自分がこれからやることが上手くいかないことを
正当化する上でも、極めて便利な手段

だったりするわけです。

このような傾向は、日常でも様々な場面で使われていたりします。

例えば、大切なプレゼンの日に、開始前に、「今日は朝から調子悪くて…」「昨晩、寝不足で…」と言うようなことがあると思います。

これは、上手くいかなかった場合のリスクヘッジとして、最初から調子が悪いのだから仕方がないのではないか、とあらかじめ主張していることになります。

言えることは、このような正当化、つまり、苦手でして…、とか、体調悪くて…というようなものは、本当は、本気で取り組みたいものである可能性が高かったりします。

本気だからこそ、失敗することを恐れ、仮に失敗したとしても、だから最初に私は失敗するかもって暗に言っておいたでしょ、というように言い訳として活用する準備を事前にしたくなってしまうのです。

重要なことは、もし本気で取り組むに値するようなことでなかったとしたら、そんな言い訳を最初に言う必要がないということです。

全く重要だとも思っていないプレゼンだとしたら、失敗したってどうってことがないので、最初に調子悪くて…、などと言う必要は全くありません。

重要だからこそ、今日は調子悪いとか、プレゼンは私の一番の苦手分野だからとか、そういう自分の潜在意識下とは真逆のことを言うような傾向に私達はあるのです。

このような真実を私達は受け入れることこそが、起業家としてさらに前進するための課題を発見する上で、私はとても重要ではないかと考えています。

そして、これまでの個別ご支援を通じて実感しているのは、苦手だ嫌だと言って逃げ続けたクライアントさんは、今現時点も上手くいっていないということであり、逆に、向き合った方は、毎月のように前進や進化を遂げ続けているということです。

これはとても重要な部分であり、こうして下記ながらも、文章という方法でお伝えする限界に来ているかなと感じているところです。

テーマのレベルとしては、「中上級編」というレベルではなく、「上級編」に相当するもので、極めてハイ・レベルの内容です。

これについて、私も、はじめて体感レベルで理解できたのが今年5月頃のことであり、まだ、理解をしてから日が浅かったりもします。

逆に、とてもこのテーマについて、とても新鮮な気持ちを持っていることも確かですので、そんな思いを、12月の定例講義(中上級編)で解説しました!

音声とテキストは以下をご覧頂けたらと思います。
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